松村北斗 / 第46回日本アカデミー賞新人俳優賞受賞者インタビュー
―――今日の撮影はいかがでしたか?
実感が湧かないし、もちろんこの企画の展示を見たこともあったので、自分が入るとどうなるんだろうとか、そんなことばかり考えて若干集中できていないような感じもありました。
―――衣装はいかがですか?
かっこいいです。衣装さんに「誰も白着てないから白選びな」って言われて、選びました。
―――実は、オールナイトニッポンで日本アカデミー賞の話をしてくださっている回を聞いたのですが…。
すみませんでした!
―――いえいえ、松村さんの中で日本アカデミー賞はどういうイメージですか?
来ちゃいけない所に来てしまったなと。僕自身は嬉しいんですけど、そういう想いがあるくらい、空想の世界くらい遠いものでした。
―――どんな時、新人俳優賞受賞の報告を聞きましたか?
ちょうどCMの撮影をしていて。その合間に周りの方もいらっしゃる状況で、マネージャーさんから「そういえば」ってパッてメール見せられて、パソコンで。そしたらこの新人俳優賞受賞の知らせで。もちろん、びっくりして。わりかし大きめに「ええっ!」ってなるじゃないですか。ただシチュエーションがシチュエーションなんで、傍から見たら渋めな反応を…「ふんふんふんふん、なるほどなるほど…」って言って(パソコンを)返して。喜びを爆発しきれなかったですね。
―――誰かに報告しましたか? その反応は?
家族に言いました。あと「ホリック xxxHOLiC」で受賞したので蜷川実花監督にお礼の連絡をしました。新海監督も(「すずめの戸締まり」でアニメーション)作品賞を受賞していたので「僕もいただきました」と報告しました。
その数日後に新海さんとご飯に行く機会があったのですが、スタッフさんがサプライズでお祝いケーキを用意してくださっていて、そこで爆発しそびれた喜びの半分くらい発散できました(笑)
―――今日の撮影ビジュアルは、RAYARD MIYASHITA PARKに展示されますが、MIYASHITA PARKに行った事はありますか?
あります。結構メンズが多いんですよね。メンズが中心で入りやすいっていうのもあるし。(MIYASHITA PARKが)できてすぐ、すごく混んだじゃないですか。うわっと混んで、お客さんの波がちょっと安定した頃に、興味があって入ってみたら見やすいし面白いなと思って渋谷行った時は必ず寄るようになりましたね。
―――RAYARD MIYASHITA PARKで好きなお店を出していいと言われたら、どんなお店を出しますか?
これといって自信を持って出せるものがないんですよね…。あ、でも、出身地の静岡のお茶がすごく好きなので、あれだけメインの場所に静岡のアンテナショップ。
それで端っこにうちのグループのモノを置いとく。地域密着型みたいなお店を出したいです。
―――カフェみたいな感じですか?
あ、いいですね。ちっちゃいカフェスペースに最新のシングルかアルバムの視聴を置いて。静岡茶を振る舞うカフェを。今アンテナショップからカフェに変わりました(笑)
―――渋谷の印象、イメージを、お聞かせください。
サブカルの象徴と言われているヴィレヴァン(ヴィレッジヴァンガード)の本店が渋谷にあるっていうのがアツイなって思ってます。はたまたMIYASHITA PARKのように、ちょっと歩いて行けばプチプラからハイファッション、古着まで全部あるのが、自分としてはすごくいろんなことを学べるし楽しいし、好きな街です。
―――映画の魅力は何だと思いますか? あなたにとって「映画」とは?
なんなんですかね。わざわざみんなが見ようと思わなきゃ見ない、集中しなきゃいけないっていうと、それ位価値がある物を作ろうとする熱量みたいなものを感じますね。刺さる人にとっては映画を見ている時間が至福っていうか。ちっちゃい幸せよりかはでっかい幸せか、でっかい絶望、二者択一みたいなものだなって。そういう意味ででかい物を作って、受け取ってもらって、っていう事をできるのが映画かなって。素人目で思っています。
―――この作品の演技中に新しい自分を発見するような瞬間はありましたか?
蜷川実花ワールドがとんでもなくて、見ている時から「すごいなこれ、どうやって撮ってるんだろう」とかどういう発想なんだろうって思うことがいっぱいあった。現場で「ここにこんなCGが入ります」の説明が正直もうわけわかんないんですよね。しかも今回妖(アヤカシ)っていう、普通の人には見えざるものが出てくるんです。その説明とかも…難しいんですよね。実花さんも意外とこう、「なんかもう、わーって!なってるから!」みたいな。でももう往年の蜷川実花チームは全員わかっているんです。そこに食らいついていかなきゃいけない、自分の中で正解を見つけてみなきゃいけない。それは事前の準備として結構時間がかかりました。
―――10年後20年後の自分像はありますか?
新人俳優賞ってものをいただくにあたって、納得してくれた方と僕を選んでくれた方にまず「やっぱりあの時、俺、私間違ってなかったな。」って思ってもらうこと。先見の明があったなって思ってもらえるような10年後20年後であること。もちろん「なんでこの人が?納得できない」って思う人もいっぱいいると思うんですよ。そんな人たちに10年後20年後「あの時選んだ人センス良いな。すごかったんだな」って思ってもらえる10年後20年後にしたいなって思います。
映画への憧れはあるので。お芝居は本当に全員に「頼むからやめてくれ」って言われるまでは挑戦したいですね。