―――今日の撮影はいかがでしたか？

普段、番宣や取材ではできないようなスタイリングで、衣装を着せていただいて、とっても楽しかったです。すごく新鮮で豊かな時間を過ごさせていただきました。

―――日本アカデミー賞はどういうイメージですか？

もちろん憧れの場所ではありましたけれども、自分とあまりにも遠すぎて、雲の上のような世界といいますか。華やかで、日本で一番大きな映画の式典という風に思っているので、天空のようなイメージでいました。

―――どんな時、新人俳優賞受賞の報告を聞きましたか？

今、撮影中の連ドラ（連続ドラマ）がありまして。その移動中に、車の中でマネージャーさんから「日本アカデミー賞新人俳優賞取ったよ」って連絡をいただいて。「これ小野花梨のアドレスですけど、送信先お間違いじゃないですか？私じゃないと思います」って言って。「いやいや、花梨だよ」って言われて「花梨なの？！」ってやりとりをしたことをすごく覚えています。

―――誰かに報告しましたか？ その反応は？

誰だったかな、やはり家族だったと思います。報告と、今までの感謝も含め、家族に一番最初に報告したかなと思います。
(報告は)メールだったかな？　しっかり文章に残して報告しました。やっぱり喜んでくれましたね。賞とか形にならなくても、もちろんこれから先も頑張っていけたらなって思っていたんですけど、やはり、いざこうして目に見える形で評価していただけるとこんなにうれしいんだって思って。自分もそうですけど、応援し続けてくれた家族もこんなに喜んでくれるんだって、こっちまで嬉しさが倍増したような時間でした。

―――今日の撮影ビジュアルは、RAYARD MIYASHITA PARKに展示されますが、MIYASHITA PARKに行った事はありますか？

もちろんです。お仕事に行く途中でもそうですし、劇場があったり映画館があったり、周りにたくさん施設があるので、とても高頻度で出没しています。
ハイブランドのお店がいっぱいあって、その中に入ることはあまりないんですけど、でも、日常の一部というか、ふらっと行ってお茶したり、休憩したり、そういう風に使わせていただいてます。

―――RAYARD MIYASHITA PARKで好きなお店を出していいと言われたら、どんなお店を出しますか？

お店を出すとしたら…。今撮影中で、やっぱりカフェタイムってすごく大事だなって歳を重ねれば重ねるほど実感するようになりまして。コーヒーとか、お茶とかちょっとしたひと時を過ごせるような場所が作れたらいいなって思います。
健康第一でやろうと思っていますので、体にいい物しか提供しないっていう。食べ物や飲み物も、栄養成分や作られた場所にこだわってどなたでも安心して飲食できて、お休みできるような場所になればいいなと思います。

―――渋谷の印象、イメージを、お聞かせください。

体の一部というか。このお仕事をしていると、渋谷集合もとても多いですし、スタジオとかも多くて。仕事でも行くし、プライベートでも必ず行く。切っても切り離せないような場所ですので、もはや、自分の一部のような場所だと思っています。

―――あなたにとって映画とはどういう存在ですか？

「敵であり味方」ですね。生きてる中で確実に必要なものではあるので、自分を生かしているという意味では大きな味方ではあるけれども、でもその中で自分は闘っていかなければならないですし、長くこのお仕事をしたいのならば評価をされ続けなければいけないというシビアさもあるなと思っているので。そういう意味では「闘う相手」という考え方では敵なのかなって。だから敵であり味方でもある、と思います。

―――演技中に新しい自分を発見するような瞬間はありましたか？

演技をしている中で新たな自分、ですか…。本番中に予想外のことが起こることって結構あって。例えば物が落ちたりとか、相手の方が台本にないセリフをおっしゃったりとか、あとは現場にいる方の携帯が鳴ってしまったり。そういう想定外のことって高頻度で起こるんですけど、それを感じている自分も、予想外の自分になっている気がします。作りこんで作りこんで、準備万端でやるようなシーンもカットも大好きですけども、そういうハプニングが起こる作品やシーンも、瞬間的に新たな自分の感情や自分の感覚に出会えるので、とてもいいなと思います。

―――演技をしている役柄として反応しているということですか？

それが大理想ではありますけど、でもそういう時ってどこかで自分が出てきちゃうと思うんですよね。100の中で0.1とか、100の中の1とか。絶対にどこかで自意識が出てきてしまうと思うんです。それすら、その役な気もしてくるといいますか、ちょっとこれは甘えなのかもしれないですけど、自分を0％にすることをイメージして、そこを理想としてやっていると新しい自分には出会えない気がしていて。自分の中で作りこんで出しているものだから、だからそういうハプニングがあって、その0を0.1とか0.5になったら自分も想定していない新たなものに出会えるようなイメージといいますか。そんな感じです。

―――10年後20年後の自分像はありますか？

できればこうして映画や作品に、出演者として関わっていけたらいいな、と思っています。でも、自分がそうなりたいと思っていてもやはり、どこかで誰かに求められていなきゃそこには立てないお仕事ですから、だから10年後も20年後もどこかの誰かに求めていただけるような存在でいられたらいいなと思います。